卒業シーズンも間近ということで、今日は心の授業でいきたいと思います!
皆さんは卒業式ではどんな歌を歌いましたか?もしくは自分の卒業式ではどんな歌を歌いたいですか?ある年に取られたフジテレビの調査での卒業式で歌われている歌のランキングは下の表のようになっています。
1位 旅立ちの日に 275校
2位 大地讃頌 136校
3位 蛍の光 91校
4位 仰げば尊し 67校
5位 巣立ちの歌 40校
*500校調査 複数回答あり
ちなみに1位の「旅立ちの日に」はこんな歌です↓
聞いたことはほとんどの方があると思います。
では、この「旅立ちの日に」が出来たエピソードについて皆さんはご存知でしょうか?
「旅立ちの日に」はこうして生まれた!
さてここで問題です。
この全国で歌われている「旅立ちの日に」を作ったのは誰でしょうか?
① プロの作曲家 ② 学校の先生
③ 芸能人 ④ 学校の生徒
正解は・・・・
②の学校の先生です!実は始まりは小さな中学校でした。
埼玉県のとある小さな影森中学校に、小嶋登校長と音楽の坂本浩美先生とい2人の先生が赴任してきました。当時の影森中学校は荒れていて、不良の生徒も多く、学校のまとまりが感じられない状態でした。そんな中学校を変えたいと思った小嶋校長は「歌で何とか生徒たち、そして学校を変えたい!」と考えました。
小嶋登校長と坂本浩美先生
しかし、全校集会でも生徒たちの半分程度しか歌わない状態でした。歌が歌えないということは心が不健康だと考える小嶋校長は、赴任の挨拶とともにさっそく次のように言いました。
「今日から歌声の響く学校を目指そう!」
このとき、音楽の坂本先生も生徒たちに合唱のすばらしさを伝えたいと思っていました。
その日から合唱に取り組む教育が始まったのです。
それでは、影森中学校はすぐに変わったのでしょうか。
当時を振り返って坂本先生はこう言っています。
坂本先生はさらに、活動の拠点となる合唱部にも力を入れました。NHKのコンクールに挑戦しようと男子部員を誘ったら、それに応じた子が変わっていきました。その姿を見た後輩たちが「ああ、歌うことってかっこいいんだ」と思ってくれるようになったんです。
いよいよ生徒の卒業の日に・・・
歌声の響く学校を目標にしてから3年が経ちました。坂本先生は「素晴らしい歌声が響き渡るようになったのは、何より生徒たちが頑張ってくれたからだ。そんな生徒たちに何か記念になるプレゼントをしたい」と考えました。
そこで、坂本先生は、あの小嶋校長に作詞をお願いしたのです。その時小嶋校長は「私にはそんなセンスはないから」と断られましたが、翌日、坂本先生のデスクに書き上げられた詞が置いてありました。
坂本先生はその詞を抱きかかえるようにして音楽室へ行き、15分後にメロディーが出来上がりました。まさに奇跡でした。それは卒業式目前の2月下旬のことでした。これが実は「旅立ちの日に」なのです。
実は生徒が歌う歌ではなかった!?
この「旅立ちの日に」を、影森中学の先生たちは生徒に秘密で練習を重ね、3年生を送る会の当日にサプライズでステージに上がり、この歌を歌ったのです。
3年生の席からは、鼻をすする音が聞こえてきていたそうです。
このように、この歌は影森中学で教職員たちから卒業生へ向けて歌うためのものでしたが、その後も生徒たちに歌い継がれ、周りの小中学校でも歌われるようになりました。そして、
歌は音楽雑誌に掲載され、プロの編曲(松井孝夫)を得て、CDが発売され、全国にも広がりました。そして2007年大人気グループ「SMAP」がCMで歌い、改めてこの曲の良さが注目を集めました。2011年1月20日に作詞者の小嶋校長は、残念ながら昨年この世を去りましたが、この曲に 込められた想いはずっと歌い継がれていくことでしょう。
いかがでしょうか。今まで何気なく聞いていたり歌っていた「旅立ちの日に」。この歌のできた背景を知ると、より歌詞の意味の1つ1つをかみしめて聞きたくなります。
すべての物事にはドラマがあります。いろいろなことの背景を知ることでより深く頭ではなく心に刻むことが出来ます。
では最後に全国で初めて歌われた時の「旅立ちの日に」の動画を貼っておきます↓ぜひ一度見てみてください。