中学受験の指導をしていると本当に安易に国立の附属中学校への進学を考えている生徒・保護者の方に出くわします。塾の偏差値でも60~70の非常に高い偏差値に位置しますので魅力を感じる気持ちは否定しません。
そういった方々は附属中学校のイメージとして
「学力レベルが高い」
「国立のため私立より安い」
「進学実績が素晴らしくTOP校への合格実績が多数」
というプラスの面ばかりに目を向けています。
それは、国立の附属中学に実際に進学できたとしても、後悔をするリスクが非常に高いです!
そこで今回は附属中(以下国立の附属中を附属中と書きます)への進学のリスクをピックアップしていきます。
主に3点です。
①高校進学の際に必要な内申点が取れない
②授業が分かりずらい
③周囲のレベルの高さに自信喪失
1つずつ解説していきます。
①高校進学の際に必要な内申点が取れない
これが非常に附属中学の生徒を高校受験の際に苦しめます。簡単にいうと通知表の点数が取れないのです。それはなぜでしょうか。
理由は定期テストの難しさです。学校の定期テストは学校の先生が独自に平均点を60点くらいになるように作成します。附属中学校の生徒は難関の入試を突破してきた生徒が多いですから、そういった生徒の平均60点はすさまじく難しいです。学校の問題集(ワーク)などからはまったくでません。ほぼ実力テストです。そのため現在の通知表の評価である絶対評価だと80点後半以上を取らないと5はもらえません。したがって通知表の点数が公立進学の場合よりもかなり低くなります。そのくらい公立中とはくらべものにならないくらい定期テストが難しいのです。実際に知り合いなどに問題を見せてもらい比較すると一目瞭然です。
公立高校の進学を考える場合、各公立高校受験の目安となる内申点がありますが、そこに届かない生徒が続出します。つまり、入試の点数は合格する点数を取れる力があっても内申点が足りないのです。そういった場合は、かなりランクを落とした公立を受けるか、もしくは私立高校へ進学する必要があります。(私立は内申点を基本的に参考にしません)
もし、生徒のみなさんもしくはお子様が公立TOP高校進学を考えているのでしたら、この点はかなり気を付けてください!
ちなみに、一部の附属中の保護者の方などは、「中3になったら内申点を高めにつけてもらえる」ということを本当のことのように信じている人がいますが、断言します。そんなことは1ミリもないです!!あと、高校の先生が附属中の生徒は考慮してくれるという噂を信じている人がいますが、これもまったくないです!
②授業が分かりずらい
これも多い悩みです。基本的に附属中の先生たちは教科書に沿った授業はしません。独自のプリントを使って授業します。これはあるあるですが、附属中の生徒に、今教科書のどこを勉強しているか聞いても、答えは「分かりません・・・」と答えます(笑)
なんでこういうことをするかというと、先生たちにとっては附属中の中でもハイレベルな生徒が退屈しないような授業を展開しようとして、教科書には記載していないような難しい内容を扱く先生があまりにも多いんです。
実際の話ですが、生徒に学校の今日あった内容を聞いたら数学の問題を生徒同士で作って、それをみんなで解くって授業を1週間やってたとのことです。あまりにもハイレベル・・・
③周囲のレベルの高さに自信喪失
これは当然です。生徒によっては「授業中にノートを取らなくて聞いているだけで記憶する」という宇宙人のような生徒もいます。対して勉強していない生徒でテストでは満点近くとってたりなんてことはザラにあります。そんな環境で自信を喪失してしまう生徒は正直多いです。
最後に:わたくしけいたくとしての結論です!
安易な附属中進学は辞めてください!お子様を不幸にします!
ただし、そんな中でもわたしが附属中への進学をすすめる生徒もいます。
それは
「勉強つまり学ぶこと自体への興味関心が高い生徒」です。
勉強が楽しい、学校や塾の勉強が楽しくて夢中でやっているような生徒がたまにいます。
つまり知的好奇心が高い生徒にとっては、教科書では省略されるような深い内容を学ぶことが出来る附属中学校は天国のような場所になります。
そういった小学6年生は進学を考えてもよいでしょう。
以上、詳しくもっと知りたい方、質問などは、ツイッターにて受け付けています。https://mobile.twitter.com/Z7JRNCjT5DXctjD